A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

バレンタイン狂想曲@三神一体(トリムルティ)祠

2月14日はバレンタインデー。もともと269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌスに由来する記念日として、キリスト教圏の主に欧米で、カップルが愛を祝う日とされています。敬虔な仏教国タイでは日本以上に関係なさそうですが、実はタイの若者にもすっかり定着しています。

今年にいたっては、ここに来て新型コロナの陽性者が急増しているため、バレンタインデーには事前にカップルでATK検査を行うよう、タイ保健省が呼びかけを行っています。さらに、濃厚接触の際もマスク着用とお互い向き合わないことなど、妙に具体的なアドバイスまで。

もちろん世の中にはこの日をカップルで過ごせる人ばかりではなく、むしろバレンタインデーに向けて、意中の相手 (男性) に自分の気持ちが届くことを強く願う人 (女性) の方が、ここタイにおいても圧倒的に多いのではないかと思われます。

そんな人々に心強いのが、セントラルワールドの前にあるパワースポット「三神一体 (トリムルティ) 祠」。ラーチャプラソン交差点周辺には8つの祠(Shrine)があり、バンコク最強のパワースポットと呼ばれるエラワン祠に加え、トリムルティ祠も恋愛成就の神様として、日頃から多くの参拝者を集めています。

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バレンタインデーを前に、今週はさらに多くの女性がトリムルティに押しかけているそうですが、この行動に冷水を浴びせるような記事が、タイのローカルメディアに投稿されました。実はこのトリムルティ、とくに恋愛の神というわけではなく、もともとは宇宙の創造 (ブラフマー)・維持 (ヴィシュヌ)・破壊 (シヴァ) を表すもの。シヴァ神などむしろ愛を壊す側だろうと、シラパコーン大学の教授が皮肉を込めてメディアに語っています。

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以前、このパワースポットを紹介した際 (⇒コチラ)、自分もトリムルティの説明書きをどうしようか迷ったことを覚えています。パワースポットの紹介看板には「トリムルティ=愛の神」と確かに書かれているのですが、一般的な意味をネットで調べてみるとなかなかそうとは読み取れず、その時は悩んだ末、最後はタイの看板に従って書いてしまいました。

今回、これで自分的にはすっきりしました。でも、これだけたくさんの人々が信じて祈っているのなら、もうそれはそれでいいのかなと思います。信じる心が大切なわけですから。中には恋愛が成就した人もいるのかなあ。