「ナムトックムー」はタイ東北地方イサーンの郷土料理のひとつで、焼いた豚肉 (ムーヤーン) をスパイスやハーブで和えた料理です。酸っぱくて辛くて少し甘しょっぱい、そしてハーブが香る一品で、ご飯 (とくにカオニャオ=もち米) のお供に最適です。砕いた煎り米も食感のアクセントになっています。
イサーン料理のお店ならだいたいあるかなと思いますが、自分が好きなのは "タムナック"(⇒過去記事)。ここはナムトックムー (正確には首肉で、メニュー名はナムトックコームーヤーン) に加え、ナムトックガイ (鶏)、ナムトックヌア (牛) もあるんです (各80バーツ/280円)。写真はソムタム (50バーツ)、ナムトックムー (80バーツ)、カオニャオ (10バーツ)。
豚の血を使ったスープも「ナムトック」と言いますが、もともとの意味は「滝」だそう。自分はてっきりナムトックムーの赤いタレには豚の血が入っているのかと思っていましたが、ネットでレシピを探しても、明確にそうだと書いてあるものは見つかりませんでした。チリパウダーの赤だけなのかな。それにしてはあまり辛くないし、奥深さというかコクのあるタレなんですよね。もち米にかけて食べると本当に美味しいです。
ちなみに焼いた豚肉ではなく茹でた豚ひき肉を使ったものが「ラープ」。兄弟料理といった感じでしょうか。自分は圧倒的にナムトックムーの方が好きかな。ラープは激辛すぎて何度か泣きを見たので。お肉の部位もラープはもっとあっさりしているところを使っているように思います。(写真はラープムー@ソムタム・ダー)
CNNトラベルが数年おきに発表している「世界のベスト料理50 (2021年4月版)」にはタイ料理が3つもランクインしています。ソムタム (46位)、トムヤムクン (8位)、マッサマンカレー (1位)。これ、一体どうやって選んでいるんだろうと思っていましたが、どうやらあらかじめ候補となる各国の料理をあげて、そこにネット投票してもらうやり方のようです。
タイ料理からはトムヤムクン、パッタイ、ソムタム、マッサマンカレー、グリーンカレー、カオパット (鶏炒飯)、そしてナムトックムーの7品が挙げられていたのだそう。ナムトックよりはラープの方が知名度はあるだろうと思いますが、7品選んだ人もナムトックの方が美味しいと信じていたのかな。もしかしたらラープはラオス料理として挙げられていたのかもしれませんが。