A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

憲法違反?

日本政府が日本に到着する国際線の新規予約を12月末まで止めるようすべての航空会社に要請していた問題で、テレビのコメンテーターが「憲法違反」と言ったことがきっかけなのか、この停止要請、わずか1日で撤回されました。

最初に言い出した (というか声が大きかった) その弁護士は、おそらくですが、あくまで専門家の技術的な解釈として憲法違反になると言ったのであって、なにも海外在住者の気持ちを慮って言ってくれたわけではないのだろうと思います。

実際、少なくとも自分は、昨日の段階では「それも仕方ないかな」と思いましたし、今日この撤回話を聞いて「じゃあ年末に帰ろう」とは思いません。海外駐在員ではこういう人が多いのではないでしょうか。

年末年始に一時帰国する人は、おそらく2~3ヶ月前からフライトを予約しています。座席数も限られているし、チケットの値段も2倍、3倍の開きが出てきますから。なので、12月1日の段階で年末の帰国フライトを予約していなかった人が、今さら「帰りたかったのに帰れなくなった!」と騒ぐことはないのかなと思います。

このご時世に片道切符で海外に出る人など自業自得としか思えませんし、もし会社の出張命令だったとしても、なおさら普通はフレックスの帰国チケットを渡されて出かけるものでしょうし。

これから急に帰国せざるを得なくなった人については、フライトそのものは飛んでいるわけですから、現地の日本大使館に相談するなりなんなり方法はあったと思います。撤回しなくてもケースバスケースでなんとかなったんじゃないかなと。

むしろ海外在住者のほうが、日本国内のコロナ対策の右往左往を冷静に見ている部分があるので、今回の "ブレ" はちょっと残念。一晩で寄せられた多くの海外在住者の声を反映した結果というより、国内世論 (メディア) に配慮しただけのようにも見えるし。たとえ「鎖国」と言われようが、あくまで一時的な措置という考えに立って、日本政府にはしっかりとした水際対策をとってもらいたいと思います。

とまあ、誰目線なんだよという話ですが、これも一個人のつぶやきということで。「なぜ基本的人権を主張しないのか」と、なんだか怒られたような気になったので、いやそもそもこちらはそういう気はないんですよと、そんな心持ちなわけです。

* * *

【追記】
その後の報道で、今回の予約停止要請は国交省の一部局の勇み足で大臣にも事後報告だったとか、なんだかにわかには信じがたい情報が出てきました。そうなるといろいろ話は変わってくるものの、いずれにしろ水際対策はしっかりやってもらいたいものです

海外在住者は「いま帰ったら迷惑をかける (周囲を不安にさせる)」「飛行機移動による感染リスクが怖い」「強制/自主隔離期間のためごく短期間の往来が難しい」といったことから、一時帰国をぐっと我慢している人も多いと思います。

タイもだいぶ減ったとはいえ、未だ1日5000人近くの感染者が出ています。ここからまたオミクロン騒ぎが始まったら、いったいこの先どうなってしまうのかと、不安は尽きません。まさか2年近くたってもこんな感じだとは、思いもよらなかったなあ。。

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