A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ジョゼと虎と魚たち(タイでアニメ映画鑑賞)

「ジョゼと虎と魚たち」のアニメ映画がタイで公開され、さっそく観てきました。だいぶ昔に妻夫木聡と池脇千鶴の実写映画を観ましたが、実写版のあの生々しくヒリヒリするような感覚とはだいぶ異なる、純粋で前向きなアニメらしい美しさをもった作品でした。

実写版では、主人公2人を含め "ご立派な人" は出てきません。みんな自分に正直というか、良くも悪くも自分の本心・本能に忠実で、その行動は全部が全部褒められたものではないのですが、だからこそ人間らしく、愛おしいと思いました。いい人ではないけれど、みんな悪い人ではない (あのモヒカン野郎でさえ)。当たり前ですが、みんな両面あるわけです。映画のラストは切なく、そして深い余韻がいつまでも続きました。

そういう意味では、アニメ版は実写版の真逆を行ったようにも思いました。社会環境の変化もありますからね。基本的に登場人物みんないい人です。「コワレモノ」といったきついワードもなし。どちらが良い悪いではなく、時代に合わせたアプローチがあったんでしょう、自分は実写版がかなり好きですが、アニメ版も大いにありだと思いました。アニメならではの表現がやはり素晴らしかったので。

本来アニメはファンタジーであるべし、そう願う自分には好印象の作品でした。障がいをファンタジーにするなと言われたら何も言い返せませんが、アニメの中くらい夢を見させてよ、とも思います。なお本作、ちゃんと社会性も持ち合わせていますので。役者の声優さんも良かったです。見取り図は見取り図すぎて笑ってしまいましたが。

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