A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

プラーソム、なれずしのルーツ?

タイにはいろいろな発酵食品がありますが、「プラーソム」は生魚を塩とお米とニンニクで乳酸発酵させたものです。鯉など淡水魚を使ったものが多いそう。

なれずし」についてWikipediaには『なれずしはタイの北部から中国雲南省にかけての地域に起源を持ち、弥生時代に稲作が中国から伝わったのと同じルートでもたらされたものとされている』と書かれています。

これが本当なら、プラーソムはなれずし、鮒ずし、そしてお寿司のルーツということになります。ロマンを感じますね。これはぜひ食べてみたい、そう思いGoogleマップを検索、クロントゥーイ市場に当たりをつけ、土曜の朝に行ってきました。

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お店はラーマ4世通りに面していて、すぐに見つかりました。発酵食品なのでけっこう強烈な臭いを覚悟していましたが、まったく嫌な臭いはありませんでした。酸っぱい臭いもほとんど気にならず、やや拍子抜け。ただ、ニンニク臭は強烈でした。切り身が入った小袋をひとつ買って電車で帰りましたが、車内でちょっと臭ってきたように感じ焦りました。

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お腹にお米が詰まっているのが見えるでしょうか。これぞプラーソムの証。見た目はフレッシュ、鮒ずしのような長期熟成ではありません。乳酸発酵といってもかなり浅いので (数日?)、その分初心者にもとっつきやすいです。

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買ってきたプラーソムの切り身 (1袋30バーツ/105円)。白身が色鮮やかでみずみずしい。くずれたお米が見えます。鼻を近づけるとかすかに乳酸発酵のいい匂いが 。すぐニンニク臭にかき消されてしまいますが。

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YouTubeで「Pla som」と検索すると、プラーソムの作り方 (漬け方) はたくさん出てくるのですが、肝心の調理の仕方がよくわからなかったので、とりあえず表面のお米はそのままにして、多めの油で焼きました。食べた感想は、「しょっぱい!」。 漬けるとき塩をたくさん使っているんですね。ご飯のおかずにちょうどいいです。

ほとんどクセのない味ですが、口の中でよく噛んでいると、発酵食品独特の風味豊かで芳しい香りが鼻に抜けてきました。うん、これは美味しい。発酵ってすごいな。ていうかよく思いつきましたね、昔の人。タイ人のご先祖様に感謝。

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夕方、余った切り身で空芯菜のスープを作りました。塩気がいい具合にスープに溶け込んで美味しかったです。ただ、小骨が多いのと、やはり少し生臭さがあるので、個人的にはだんぜん焼きがおすすめ。スープや炒飯に入れるときは、一度焼いて小骨を取ったあとほぐした身を使えばいいと思います。

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