ホラー映画「死霊館のシスター」を観ました。プロンポン駅直結のエムクオーティエ4階にあるCineArtという映画館で、なんとScreenXで! 緊迫する場面で左右の壁にドーンとスクリーンが広がるのはやはり大迫力。さすがに臨場感が違いますね。
さて、映画の方ですが、もともと死霊館シリーズの心霊テイストが好きで、ある程度そっち系を期待していたのですが、その点はかなり異なっていました。ホラー映画としては60点、でも死霊館シリーズとしては30点くらいでしょうか。
簡単に言うとこれ、脅かし系お化け屋敷映画なんですよね。アメリカでは大ヒットしたようですが、絶叫したくて観に行って、期待通りに絶叫できるんだから、まあそういう映画として見れば100点の出来だと思います。
それにしても、主役の3人がそろいもそろってうかつ。怪しい人影や物音に誘われて、ついて行った先で必ずひどい目に合うというパターンを延々と繰り返します。しかもひどいのレベルが斜め上。
一番がんばらなきゃいけない神父が終始自分のトラウマ(亡霊)と戦ってばかりで、本当の敵と全然対峙しない展開もナゾ。その分シスター(原題 The Nun=修道女)と村の若者ががんばっていたけれど。
日本映画の幽霊は、そこに実体があるようなないような、夢かうつつかわからないところに恐怖があります。攻撃の主流は呪い。あるいは惑わせてハンドル操作を誤らせたり橋から飛び降りさせたり。幽霊そのものが攻撃を仕掛けてくるとか、日本人にはどうもピンときません。
でもこれが幽霊(人の怨念)ではなく、悪魔(反キリスト)だったらどうなのか。こうなるとそもそも日本人には理解できませんが、キリスト教圏の人たちにとってはむしろ悪魔の方がより根源的でリアルな恐怖なんじゃないかなと。また、本来神の下僕である修道女が悪魔であるとか、きっとあり得ない恐怖なのかも。
悪魔だったらそりゃあ超絶パワーもあるでしょう。宙に浮いたり壁を壊すのだって朝飯前。死体が起き上がりダッシュで追いかけてくる。異常に強い力で物理攻撃を仕掛けまくる。でも意外と銃で撃てば死んだりする。そして何より、キリストの血とか遺物とかを使うとなんなく倒すことができる。
この映画も中盤になって、「あ、これ、インディー・ジョーンズのホラー版だ!」と思い当たってからは、なんだかワクワクしてきました。序盤で心が折れそうになりましたが、最後はなんとか楽しむことができた次第。
死霊館シリーズには欠かせないヴェラ・ファーミガの、21歳も年の離れた妹であるタイッサ・ファーミガ (シスター役) がよかったです。ヴェラほどの妖艶さはまだありませんが、たまにゾクッとするほど画面に映えました。こういう人をスターって言うんですね。血筋ってすごい。
※2018年の記事を再録。