A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

カオカームー(タイの豚足ご飯)

美味しい料理が目白押しのタイ料理の中でも、「カオカームー」は個人的に大好きな料理のひとつです。カオ(ご飯)・カー(足)・ムー(豚)、つまり豚足ご飯。

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肉と脂のバランスが良い豚すね肉、コラーゲンたっぷりの豚足、味わい深い豚モツ、そしてゆで卵を砂糖+醤油で甘辛く煮込んだもので、若干の中華の香り (八角?) がまた食欲を増進させてくれます。

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調理は店頭の大鍋で煮込むため、道を歩いていてこれを目にした時のインパクトはすごいです。タイ料理B級グルメ界の帝王ですね。辛くないし、角煮が嫌いでないならこの更なるコッテリ感はクセになると思います。

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カオカームーはひと口ほおばると、お肉と脂身のトロトロ具合にもう目尻は下がりっぱなし、ほっぺたは落ちっぱなし、いつも最後まで一気に完食です。コッテリが少し辛くなったら、付け合せの酸っぱい漬物が良い箸休めに。

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そんなにデリケートな料理ではないので (汗・・)、どこで食べてもほとんどハズレがないのもおすすめポイント。漬物の味は意外とお店によって千差万別なので、漬物や葉っぱの有無が好みのお店選びにつながるかも。

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あとはお店のテーブルに唐辛子とニンニクをちゃんと置いてあるかもタイ人にとっては重要みたいです。自分の昔のイメージではパクチーが付きものだと思っていましたが、実際パクチーを載せるお店はほとんどありません。

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以下のお店紹介のほとんどは旧ブログからの採録・再編集で、そのため2018年から2019年くらいの古めの情報が多いです。値段も当時書いたものはそのまま載せますが、たぶんどこも少しは値上がりしているのかなと。

Charoen Saeng Silom (サパーンタクシン)

営業時間07:30-13:30。週末の朝8時に行っても満席&行列の人気店。すね肉の美味しさはもとよりトロットロの脂身が最高に美味です。食べ終わったら唇テッカテカ。こってりしているようで意外とパクパク食べられるのは味付けが濃すぎず絶妙だから。でも時間帯が遅くなれば煮詰まってもっとコッテリになるのかも。それも食べてみたいけれど。

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Trok Sung (サパーンタクシン)

営業時間10:30-19:00 (日曜休業)。職場のタイ人スタッフはこのお店を激推し。他店とそれほど味に違いがあるとは思えませんが、何かタイ人の心の琴線に触れるものがあるのでしょう。タレの濃さはややあっさりめなのかな。脂身もお肉もモツも煮卵も味が染みていて、とても美味しかったです。MBKセンターにも支店あり。(店名:トロックスン or トクスン)

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Chula Pork Leg (サムヤーン)

豚足皿盛りをオーダー。とろとろの豚足は絶妙の甘辛の味付けで評判通りの美味しさでした。さすが、緑の丼マークのお店。一緒に頼んだニガウリのスープは思っていた以上に激ニガでしたが、口の中で豚足の脂が洗い流されるような清涼感を味わいながら、最後の一滴まで飲み干しました。キングパワーにも支店あり。(店名:カームー・チュラ)

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ショッピングモールのフードコート

タイの高級ショッピングモールにはどこもフードコートがあって、ここに町の名店をどれだけ集められるかがかなり重要なんだそうです。なので、フードコートには美味しいお店が揃っているし、値段の差は10~20バーツなので、積極的に利用すべきです。手軽に行けるしエアコンも効いていますしね。

Trok Sung@MBKセンター
サパーンタクシンのお店の支店。町の本店で食べれば1皿50バーツ/175円、MBKのフードコートだと60バーツ/210円でした。写真は煮玉子10バーツとモツ20バーツをつけて計90バーツ/315円。

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Chula Pork Leg@キングパワー
サムヤーンのお店の支店。80バーツ/280円。文句なしの味。

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店名不明@エンポリアム
店名を気にしたことがなかったのですが、カオカームーは1店だけです。自宅から最寄りなのでなんだかんだここが一番食べています。味には何の不満もないです。100バーツ/350円くらいしたかな。でもお肉の量が多いんですよね。

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店名不明@ターミナル21
店名を気にしたことなし。カオカームーはここだけ。ターミナル21は映画館があるのでよく行きますが、ついでにフードコートに寄ってよくカオカームーを食べました。美味しいんですよね。脂身のトロトロ具合も最高。

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店名不明@チャムチュリースクエア
フードコートで何を食べようか迷った時はカオカームーを食べています。この時は日本から来た出張者7~8人と一緒だったのですが、カオカームーは自分だけ (おすすめしたのに・・)。みんなから「そんなもの食べるの?!」と驚かれたのは、正直心外でした。あまり知名度ないのかな。一度食べれば好きになると思うんだけどな。

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美味しいカオカームーの見分け方

【2018年7月の記事を編集・再録】 プラトゥーナムにすごくレビュー数の多いレストランがあって、そこのカオカームーも試してみようと思いふらっと出かけました。週末のお昼前でしたが行列が表の道までのびていて、期待が高まったのもつかの間、よく見るとお客のほとんどは外国人旅行者 (中国アジア系8割、欧米その他2割)。そして行列からも見えるオープンキッチンでやっているワンタン麺とカオカームーの調理がどう贔屓目に見ても雑&雑。急速にしぼむ期待、そして広がる不安。

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20~30分並んでようやく店内に入ると、接客はとても良かったです。基本相席ですが席の配置もグループの人数でてきぱきと分け、できるだけお客を待たせないようにという心づかいが伝わってきました。旅行者ばかりなので簡単な英語も通じるしオーダー取りも迅速、笑顔も絶やしません。ここは完璧なのですが、さてお味の方は・・。

ほとんどの客が頼む看板メニューの汁なしワンタン麺は、好みによるとは思いますが、脂っこいばかりであまり旨味や塩気がなく、売りのワンタンは中の肉団子が砂糖多めで甘さばかりが目立ちました。カニ肉やチャーシュー、青菜もたっぷり入っているので100バーツ/350円は高すぎるわけではありませんが、盛り付けが雑だし、ワンタンも大量に茹でておくためでしょう、すでに冷えていました。

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自分の主目的はもうひとつの看板メニューのカオカームー。これ、珍しく美味しくなかったです。何が違うかというと、お肉に味が染み込んでいない、お肉がパサパサ、脂身にトロトロ感がない、脂がしつこい、お米がいまいち、タレの量が少ない、タレの味もいまいち等々、文句のオンパレード。ワンタン麺と合わせほとんど悪口しか出てこないので店名は伏せました。

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自分なりの美味しいカオカームーの見分け方ですが、店頭の大鍋を見れば一目瞭然。脂っこい料理のようでいて、美味しいお店はちゃんと余分な脂とアクをこまめに取り除いているため、鍋の表面がクリアーでスープの色がきれいに見て取れます。下の写真はお気に入り店のもの。でもこれくらいは基本中の基本で、普通はどのお店でもやっていることです。

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ここのお店は、下の写真のとおり見るからに表面が汚いですよね。脂もアクも取っていない。だから脂のしつこさと雑味が感じられる。その上ちゃんと煮込んでいないのでお肉もあまり美味しくない。

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カオカームーがこのクオリティで100バーツ/350円はあり得ません。タイ人は誰も来ないでしょう。おそらく、値段を上げても上げても押し寄せる外国人観光客に、店員 (コック) も疲弊し心が荒んでしまったのではないでしょうか。きっと昔はもっと丁寧な仕事をしていたはず。どうかそんな時代にもどってほしい。

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昔のタイ旅行の記録 (カオカームーのことも)