タイの市場やスーパーでよく見かける例のあの魚。アゴがしゃくれたアレ。アジのような小ぶりの魚ですが、"プラートゥー" といって、サバの仲間だそうです (日本名グルクマ)。
商品として売られているものは必ず頭が90度折れ曲がっているのが特徴的で、「えっ!?」と驚いたような表情は見るたびユーモアを感じずにはいられません。でも、まさか生きたまま "バキッ" と折られるんじゃないですよね。。
身はふっくら肉厚で、サバとアジを足して二で割ったような食感と味。煮てよし焼いてよし揚げてよし、市場で買えば値段も安く、タイ人が大好きな魚のひとつです。
頭を折るのは最初にせいろで蒸すさい、小さめのせいろに入れるためだそうです (魚が大きく見えるから)。その昔、各地で水揚げされていたプラートゥーですが、メークロンの漁民がこのようにして売り始めたところ評判を呼び、たちまち他所の町にも広まっていったのだとか。今でもメークロンはプラートゥーの産地として名高いです。
ちなみにいまコロナのクラスター発生で一躍有名になってしまったマハチャイは、バンコクの西隣 (サムットサコン県)。メークロンはさらにその西隣です (サムットソンクラム県)。
写真3枚目のプラートゥーは昨日近所のスーパーで買いましたが、張り紙に「当店のシーフードはメークロン、ラヨーン、トラート、クラビ、ペチャブリー、プーケットから取り寄せたものだけです」という文言が。つまり「マハチャイのシーフードはありませんからご安心を」ということ。
そうはいってもマハチャイからシーフードが来ないとなると、年末年始のバンコクの食需要を満たすのは難しいのでは。というかせっかくタイにとって景気アップのチャンスだったのに、それがまたひとつ流れてしまったのかと、暗澹たる気持ちになりました。