A Dog's World 

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ラートリー・リターンズ(タイ映画)

「ラートリー・リターンズ」は2003年のタイ製ホラー映画「ブッパー・ラートリー」の続編で、2005年の作品です。主要人物と設定を引き継いでいますが、残念ながらブッパー (プローイ) の活躍はとくに前半部分かなり控えめ (初登場は開始30分してから)。

今作は、609号室を除き誰も入居者がいなくなったオスカーアパートに、目の見えない少女ティップと、逃亡中の銀行強盗4人組が引っ越してくることから始まります。ちなみにブッパーとエーク、同棲を続けていたんですね。エークは両脚ちょん切られて車椅子生活です。

ほとんどは4人組のコメディパートで、グダグダな展開が続きます。少女については主治医が変態で常に犯そうと狙っているのがただただキモい。字幕なしのタイ語のみで観たため細かい部分はわかりませんが、ストーリーはほぼ問題なく追えます。

少女の目は手術すれば治るが大金が必要。絶望しアパートの屋上から飛び降りる寸前、少女の手を取り引き止めたのはエークでした。実は少女の目の原因はエークなのです (昔車でひき逃げしてしまった)。エークは4人組が隠し持っていた大金を奪い、少女に渡します。その後も主治医のレイプを未然に防ぐなど少女にご執心。

ブッパーとエークに出ていってもらいたい大家はまた霊媒師 (前作で背中に刺さったナイフがそのまま!なお今回1本追加されます!) をけしかけ、お金を取りもどしたい4人組も609号室を行ったり来たり。4人組逮捕のためアパートには特殊部隊まで登場し、怒涛のてんやわんやがくり広げられるのでした。

劇中の白眉は、エークが少女ティップを想う気持ちに嫉妬したブッパーが、再びエークを血祭りにあげるシーン。これは痛そう。唇を○○で〇〇。ここだけ本格スプラッターです。

その他は安っぽいCGでホラーパートは興ざめ、笑いも (言葉がわからない人にとっては) 少なめ。個性的な住人が消えてしまったので、全体的に画面が寂しいんですよね。ギャル店員も前作のラストで気がふれてしまい、今回登場しますが印象は薄い。

最後はブッパーが成仏してしまう描写もあり、今回はブッパー、いいとこなしでした。でも前作から2年経って、ダイヤの原石から本物の宝石 (プローイ) になったような、輝くばかりの美しさが印象的でした。

ラストシーンは目が見えるようになったティップが609号室を訪れる場面。ノックの後、一瞬間を置き、突然勢いよくドアが開いて暗転、終劇。いったいティップはどうなってしまったんでしょうか。。(←と気になるほど感情移入はできなかったけれど)

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