世界三大スープのひとつと言われ、タイ料理の代名詞ともなっているトムヤムクン。これまでバンコクでいろいろ食べてきて、そろそろ自分の好みもわかってきたので、この機にちょっとまとめてみようかなと。
アッサリ vs. コッテリ
トムヤムクンも2種類あります。トムヤムクン・ナームコン(ミルク入り)とトムヤムクン・ナームサイ(クリアなスープ)。普通はココナッツミルクがたっぷり入ったクリーミーなトムヤムクンを想像しますし、ほとんどのお店はそちらを出すので、一度だけクリアなスープが出てきたときは、果たしてこれはトムヤムクンなんだろうかと悩んでしまいました。
ナームサイはミルクとさらにナムプリックパオ(甘辛チリペースト)も使わないそう(ただし唐辛子はたっぷり)。なので、ナームコンは甘くて酸っぱくて中辛、ナームサイは酸っぱくて激辛といった表現が合っているような気がします。
川エビ vs. 海エビ
これもけっこう大きな違いです。どちらが正統派なのかはわかりませんが、川エビはエビ味噌たっぷりなので、スープに素晴らしいコクが出ます。この味噌がどれだけ入っているかは、エビ味噌好きが多い日本人には大きなポイントかと。エビ自体の美味しさやボリュームは、海エビに軍配が上がるかもしれません。
トムヤムママー
ママーというタイ製インスタントラーメンの大手が出している袋麺(トムヤムクン味)が美味しいです。甘くて酸っぱくて辛いというトムヤムクンのイメージを体現したものであり、町中の食堂(屋台)ではこの麺を鍋に入れて食べる "トムヤムママー" というメニューも。トムヤムクンは高級レストランで食べれば高級な味がするし、屋台で食べれば限りなくジャンクな味わいを楽しむことができます。懐が深い。
続いて、バンコクでおすすめのお店。といってもさんざん先人たちが紹介してきたお店ばかり。結局は同じお店になりますね。だって美味しいんですから。
トムヤムクン・バンランプー (Banglamphu)
川エビがたっぷり、エビ味噌もたっぷり。クリーム多めでマイルドですが、酸味はキリリと効いています。これは美味しい。丼が大きめなのでお腹いっぱいになります。150バーツ(510円)。
ピーオー (Pe Aor)
言わずと知れた一番人気のお店。川エビは必ず(今まで3度食べて全て)きれいな卵を抱えていました。故に見た目も美しい。スープは甘味と酸味が鮮烈(逆に言えば味がちょっと濃い)。60バーツ(ムール貝入りは100バーツ)とコスパも抜群。
ガンバンペー (Kang Ban Phe)
シャコ入りトムヤムヌードルが意外に美味しかったです。エビもイカも新鮮、スープには魚介の旨味、それからピーナッツがアクセントとして効いていました。175バーツ。
トムヤムクン (Tom Yum Kung)
カオサン通りにあるのでお客はほぼ外国人観光客。食べるまではちょっと心配でしたが、意外や意外、なかなか本格的な美味しさでした。エビ味噌もたっぷり。180バーツ。場所柄、ちょっと高いですね。
トンター (Tongta)
ちょっと行きにくい場所ですが、エビ味噌たっぷりという評判を聞いて行ってみました。結果、少なくともこの日食べたものは、そこまでではありませんでした。でも広い店内がお客さんでいっぱいだったので、人気店には違いありません。周りのテーブルで食べられている料理はどれも美味しそうでした。
クルアナイミー(トムヤムクンの決定版!)
上記のお店やその他各所でトムヤムクンを食べてきましたが、当初から本命のひとつであった "クルアナイミー" でようやく食べることができました。それまで2回行って2回とも閉まっていたので、本当に念願の。そしてやはり期待に違わぬ美味しさでした。
これまで食べた中ではカオサンの "トムヤムクン・バンランプー" が一番エビ味噌が入っていて美味しかったのですが、正直、クリーミーさが先に立っていて、マイルドすぎるというか、いわゆるトムヤムクンの甘くて酸っぱい刺激的な味とは少し違うのかなとも思っていました。
そういう意味ではここのトムヤムクンは自分の思うトムヤムクンど真ん中の味、そしてこれでもかと言わんばかりの大量のエビ味噌。これで美味しくないわけがありません。
辛くしないでと言わない限りデフォルトでは相当辛いのも個人的にツボ。値段は200バーツ (700円)。量が2人前くらいあるので、半分のサイズで値段も半額だったらうれしいのですが。と言いつつペロリと平らげたんですけどね。
ワット・アルンの先 (ワット・ラカンの手前) なので少し遠いし交通の便も良くないし夕方から開くお店なのでなかなか行きづらいですが、大いに価値ありの逸品です。これぞトムヤムクンの決定版!