スントンプー(スントーン・プー, Sunthorn Phu, 1786-1855)はタイの詩聖、あるいはタイのシェイクスピアとも呼ばれる偉大な詩人です。1986年には生誕200周年を記念してユネスコの祝賀を受けました。ワット・テプティダラムには、1840年から1842年までスントンプーが僧侶として居住していたことから、その記念館(博物館)があります。
スントンプーは平民出身でありながら、詩作の才能からラーマ2世の信頼を獲得し、官位を受けてラーマ2世の詩作の講師となりました。この頃著した「クン・チャーン=クン・ペーン」はタイ古典文学史上最高作品と言われます。
そんな彼が一時期仏門に入ったのは、代替わりしたラーマ3世がスントンプーを疎んじ、彼の官位を剥奪したからです(当時は人生に悪い変化があると出家をするのがタイの習慣でした)。ラーマ3世が子供の頃、彼の作った詩にスントンプーがことごとくダメ出しをしていたため、後年嫌われたのだとも言われています。
さて、博物館ですが、実際のところそれほどスペースも展示物もありませんが、内容は濃いなと。スントンプー直筆の詩篇も展示されています。案内は僧侶の方が無料で行なってくれ、タイ語の詩の朗読にもチャレンジできます。空中に浮かび上がるブッダ像との記念写真も面白い。
■手書きとは思えない美しさ
■詩吟にチャレンジ、僧侶の声色をまね歌うように
■ユーモアたっぷりの説明、英語は上手
タイ国初のベストセラー「アパイマニー物語」の現代コミック版