A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ホイクワン・グルメ(バンコク新中華街)

バンコクのホイクワン(フワイクワーン、Huai Khwang、輝煌)地区が数年前から「新唐人街(新中華街)」と呼ばれ、いま中華グルメがアツイことになっています。とくにMRTホイクワン駅から東に延びるプラチャラット・バンペン通り(Pracharat Bamphen Road)にお店が集中していて、その多くは四川料理ですが、ターゲットは完全に中国人と思われます。本格的な料理もさることながら、メニューも店員も中国語のみというお店が何軒も。タイ語メニューは読めませんが、中国語メニュー(漢字)ならだいたいわかるのが嬉しいです。

好味点心

プラチャラット・バンペン通りのお店の中でホイクワン駅から一番近いのが「好味点心」。駅を降りて通りに入ってから170mくらい。以下、このシリーズは東側に移動していきます。

好味点心は219バーツ(750円)で火鍋食べ放題という人気店です。他にも点心が1皿19バーツ(65円)とこれまた破格。安くて美味しいものをお腹いっぱい食べたい人には最適なチョイスでしょう。自分はバクテー(肉骨茶)100バーツ(340円)と点心5皿をオーダー。美味しかったです。この値段でこのクオリティーなら文句なし。人気があるのも当然だと思いました。食事時は混雑必至です。24時間営業。

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中華小吃

プラチャラット・バンペン通りの中華料理屋は人気がある店とない店とで露骨に差があるのですが(満席か無人)、「中華小吃」は常に人が入っているお店です。看板には「東北味、雲南味、川味」の表記が。東北料理はモンゴルが近いため羊肉がポピュラーだそうですが、ここのメニューにも羊肉料理がいろいろあります。雲南味、川味は四川料理ですね。

1回目の訪問では自分的定番、牛肉麺と餃子(焼き餃子)を頼みました。牛肉麺は少し縮れた自家製麺で、いい意味でB級感にあふれています。ちょっと高級などん兵衛の麺て感じ。でも小麦粉の味はしっかり感じました。牛肉はよく煮込まれていて柔らか、口の中でホロリとほぐれます。スープは甘みがほとんどなくキリッとした口当たり。牛の出汁は効いていたけれど、でもちょっと塩がきつかったかな。朝一だったのでスープはあまり飲めませんでした。一日歩いて大汗かいた後だったらゴクゴクいけそう。

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羽根つき餃子は羽根がバラバラになっていましたが、それだけパリッとしている証拠。餃子はニラ多めですがお肉の旨みもしっかり感じられて、自分の中ではかなり上位。中身がそれほどギュッと詰まっていないので、10個パクパクあっという間に完食してしまいました。牛肉麺100バーツ(340円)、羽根つき餃子も100バーツ。コスパ悪くないんじゃないでしょうか。

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2回目の訪問では麻婆豆腐と水餃子をいただきました。麻婆豆腐は花椒が効いているかどうかの一点が気になっていましたが、結果、効いていませんでした(泣)。豆鼓はたくさん入っていましたが。味は、良くも悪くも特徴やクセはありません。普通。

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前回焼き餃子は肉・ニラでしたが今回水餃子は肉・白菜をオーダー。水餃子は白菜が好きです。そしてバッチリ美味しかった。麻婆豆腐120バーツ(410円)、水餃子100バーツ。人気店なんですが、中でも人気メニューはなんなんだろうな。もうちょい通うか。

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福華餐廳

中華小吃の向かい側にあるお店「福華餐廳」。こちらも人気は高いです。この界隈のお店としては中華小吃とともに日本人のブログにもよく登場します。1回目の訪問で牛肉麺(120バーツ/410円)と焼き餃子(120バーツ)をオーダー。

牛肉麺はスープが赤かったのでトマト系かと思いましたが、これぜんぶチリオイルでした。熱くて辛くて舌がヒリヒリしました。手打ち麺はちょっと柔らかかったけれど美味しかったです。牛肉多めでスープのコクが深く、中華小吃より20バーツ(70円)高いけれど、自分はこちらの方が好きかな。

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焼き餃子(肉・ニラ)、見た目は大ざっぱですが、とにかく美味しい。値段もほんの少し高めですがひとつのサイズが最近食べた餃子の中では一番大きく、また皮の薄さ、具の味と詰まり方、焼き加減(上はプリプリ下はカリカリ)のトータルで、一番日本の餃子っぽかったです(あまり中国感を感じなかったという意味で)。これは自信を持っておすすめできますね。

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日にちをおいて2回目の訪問。麻婆豆腐も食べてみようかと思ったのですが、他の方のブログによれば中華小吃と同じく花椒は効いていないようなので、パス。ジャージャー麺(100バーツ/340円)と水餃子(100バーツ)をいただきました。ジャージャー麺は肉味噌が水分多めのシャバシャバ系で、ちょっと今まで食べてきたものとは違う感じでしたが、これはこれで悪くはなかったです。麺はあいかわらず美味しいし。次にまたオーダーするかは微妙ですが。

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飯米粒

「飯米粒」と書いてファミリアと読みます。名前はなんだか可愛いけれど、漢方スープの専門店です。店頭の大きな壺が目印。ここはもうメニューが中国語オンリー。幸い、日本人ならだいたいわかります。よかった。

メニュー上はたくさんラインナップがありますが、毎日全部作っているわけではありません。店頭の壺の中で8時間煮込むのだそうですが、いくつかを仕込むので、その日どのスープがあるのかは店主が教えてくれます。

自分は "強身健体" の黄豆猪脚湯120バーツ(410円)をいただきました。大豆と豚の脚肉のスープ、ナツメはデフォルトで入っているっぽい。優しい味でした。漢方薬風味もあって、自分は美味しいと思いました。強くなったかな?

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一緒に頼んだ牛肉麺(120バーツ)はちょっと残念でした。麺が細い。すぐのびる。ビジュアルもこれまでの牛肉麺とくらべたらちょっとなんだかなと。スープの味は悪くはなかったですが。もう一度来るかなー。どうかなー。客も入ってなかったしなー。

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老四川

「老四川」に夕方行った時、お客の入りは半分くらいでした。そこそこ人気店かなと。メニューとして見せられたのは料理一覧が載ったチェックシート。オーダーしたいものに個数を書くわけですが、これがオール中国語。これまでのお店もそうですが数字なんかも店員は中国語ですし「お勘定」もタイ語の「チェックビン」ではなく中国語の「マイタン」。この界隈はだいたいこんな感じ。いいですね。

オーダーは牛肉麺(120バーツ/410円)と麻婆豆腐(140バーツ/480円)。ここにきてだんだん四川の本気が見えてきました。だいぶ辛いです。牛肉麺のスープは真っ赤な見た目の通り舌がヒリヒリするほど辛い。麻婆豆腐も単体ではそんなにかもしれませんが、牛肉麺で舌がやられているのでとにかくヒーヒー言いながら食べました。

麻婆豆腐は少し花椒が入っていたと思います。まだまだ物足りなかったけど。山椒牛肉とか水煮肉片とか頼めばもっとしっかり花椒が効いているのでしょう。こんどはそっち系を頼んでみよう。

さてこの日の2品のお味は。うーん、辛くてよくわからなかったかも。美味しいとは思いました。見た目にもきれいだし。でも感動まではしなかったかな。

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真蜀味

ホイクワンのプラチャラット・バンペン通りでおそらく1、2を争う人気店の「真蜀味」。正宗川味(本物の四川料理)をうたった火鍋屋さんです。食事時はいつも満席。火鍋は人生で3度めくらいの火鍋素人ですが、この麻辣スープがいかに本格的であるかはわかりました。辛い、痺れる、けれども美味しい。間違いなく極上の火鍋です。

オーダーチェックシートは中国語とタイ語、メニューブックは写真付きで中国語・タイ語・英語併記です。初めて行ったときはメニューを指さしたら店員がシートに書き込んでくれました。鴨の腸と肉団子も店員におすすめされました。愛想とかサービス的なものは期待していなかったので、意外に親切だったのが好印象。ただ、火鍋屋に1人で入ってきたからか店員の第一声は「シェンマ?(何ですか)」でした。「いや食事だよ!」と言いそうになりましたが。

火鍋素人なのでいくつか間違えたことが。白菜、これを麻辣スープに入れてはダメです。白菜は辛い脂をベッタリつけて上がってきます。清湯スープで洗っても落ちません。麻辣スープの辛さと痺れはハンパないので、そのまま食べたら口の中がジンジン痺れてえらいことになりました。白菜は清湯スープで煮込み、麻辣は食べる前に適量つければ良かったなと。

値段は麻辣&清湯のダブルスープ200バーツ、牛肉120バーツ、鴨の腸100バーツ、肉団子80バーツ、白菜40バーツ、えのき40バーツ、合計580バーツ(2000円)。何人かでいけばコスパはもっと良くなるでしょう。とにかくこの通りでは一番のおすすめ店です。

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季先生中餐牛肉面

ホイクワンの火鍋の人気店 "真蜀味" の隣にオープンした牛肉麺のお店。スープはコクは控えめで塩が効いているのでスッキリした飲み口。これはこれであり。手延べ麺は普通。辛味はなし。牛肉はよく煮込まれていて量がけっこうあります。全体的に悪くない。

値段はいくらかな、150バーツくらいかな、このボリュームで130とか120だったらこの界隈でも戦っていけそうだな、などと考えつつお勘定すると、やはり150バーツ/525円でした。うーん、、ちょっと高いかな。

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ダンチャイ

プラチャラット・バンペン通りには四川料理だけでなくタイ料理もいくつかありますが、「ダンチャイ」は緑の丼マークの肉まん屋さんです。

肉まん、チャーシューまん、あんまん、芋あんまん(蓮の実入り)をいただきましたが、どれも美味しかったです(1個25バーツ/85円)。個人的には、肉まん=あんまん>芋まん>チャーシューまん、かな。

バチャーン(ちまき60バーツ/200円)はまだ見たことがありません。朝10時頃だといつもないので、ある日朝7時半に行ってみたのですがそれでもありませんでした。朝6時から開いているので開店早々に行けばあるのかな。

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麻辣湯

プラチャラット・バンペン通りをさらに奥(東)に行ったところにあるお店「麻辣湯」。本当は隣にあるはずだったもっと評判のよさそうなお店に行くつもりが、そちらはどうやら閉業したようで、代わりにその隣りにあった、牛肉麺の写真を貼り出していたこのお店に入りました。この時点でお客はゼロ。

テーブルに座ってメニューを見ると、牛肉麺がありません。ここも店員は中国語のみなので、店員を外に連れ出し牛肉麺の写真を指差すと、「メイヨー(無い)」というつれない返事。残念。気を取り直して麻婆豆腐と水餃子を頼みました(焼き餃子は無かった)。

麻婆豆腐は木綿豆腐の味噌炒めといった出来で、この形もいままで食べたことはあるので驚きはしませんでしたが、四川風の麻婆豆腐を期待していたので当然満足できず。水餃子は味はそんなに悪くなかったけれどぴったり閉じていないから肉汁漏れているし全体水っぽくなっているし、もう少していねいに作ればもっと美味しいのになと思いました。

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醉心

MRTホイクワン駅を降りてPracharat Bamphen通りを東に進み、T字路 (Pracha Uthit通り) を200m南下すると、雲南料理のお店、醉心(Zuixin)があります (駅から900m)。この日は牛肉麺目当てに行きました。

紅焼牛肉麺(120B/420円)は麺が雲南料理の特徴である「米線 (ミーシェン)」です。米粉の中太麺ですが丸くてツルツルであまりコシがない独特の麺。スープと牛肉はこの界隈で一番美味しいくらいでしたが、自分的にはこの麺がなんとも微妙。これが小麦粉の手打ち麺だったら100点満点だよなと心底思いましたが、でもこの麺を否定してしまうとそもそもこのお店に来る意味がなくなってしまうというジレンマが。

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ついでに水餃子もオーダー (120B/420円)。茹で方はちょっと雑でしたが餃子はとっても美味しかったです。店員もすごく親切で、牛肉麺の麺は米線だというようなことをメニュー写真を指さしながらひとしきり説明してくれました。すべて中国語だったのでニュアンスしかわかりませんでしたが。他の料理も美味しそうだったので、また来てみよう。

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雙象園

MRTホイクワン駅から少し歩きますが、"酔心" の先にもうひとつ雲南料理のお店 "雙象園 (Chang Khu Restaurant)" があります。手前に美味しい四川料理のお店もたくさんありますが、駅から約1km、足をのばす価値ありではないかなと。

まずは麺。雲南料理の米線 (ミーシェン) がやや苦手なのであえて普通の雲南掛麺 (80バーツ/280円) を頼みました。これが個人的には大ヒット。スープだけだとかなりあっさりですが、トマトとひき肉を炒めたガーリック強めのソースがスープの美味しさを何段階も引き上げています。山盛りの高菜がついてきたので本来はこれをたっぷり入れるのかもしれませんが、漬物が苦手なのでほとんど使わず。後半はラー油を入れて味変し、スープの最後の一滴まで美味しくいただきました。

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麻婆豆腐 (140バーツ/490円) は味噌味強め。お味噌になりかけみたいな大豆粒もたくさん入っていて。もちろん花椒は粒でたっぷり。甘さはなくガツンとお味噌の塩気で勝負という一品でした。見た目ほどには辛くなく食べやすかったです。

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番外編:蜀香園(Sichuan Restaurant)

最寄り、MRTタイ文化センター駅 (ホイクワン駅のひとつ南)。駅から北に少し歩いたところにある THE STREET というショッピングモールの4階フードコートにあります。中国語のグルメサイトで評価が高かったお店で、バンコクの四川料理店の中ではダントツで高評価でした。

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オーダーは牛肉麺(158バーツ/540円)、水餃子(肉・ニラ:98バーツ/340円)、麻婆豆腐(198バーツ/670円)。料理の値段は全体的にプラチャラット・バンペン通りのお店より1.5倍くらい高いですが(餃子は同じ)、クオリティーは明らかに1.5倍以上ありました。

牛肉麺は真っ赤な見た目の通り辛さもいままでで一番。しかしスープの味は良かった。お肉もスジ肉をしっかり煮込んでありました。麺が細麺だったのは唯一惜しかった点。辛くて一気にズルズルとは食べられないので最後は麺がのびてしまいました。

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水餃子(肉・白菜)はヒダのないシンプルで小ぶりな半月形ですが、皮のプリプリ感、具の味、ツルンと食べられる形状、すべてにおいて美味しく仕上がっていました。タレにもチリオイルたっぷりなので、こちらも辛い、でもつけないと物足りない。やめられない止まらない。肉・ニラもあります。

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そして何といっても白眉は麻婆豆腐。ついにきました。花椒がビリビリ効いた至極の一品。辛さも超級、痺れも超級。自分の理想の四川風麻婆豆腐をようやく見つけました。これは美味しい。本気で美味しい。でも、、辛い。。

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食べ終わる頃にはあまりの辛さに前頭葉がクラクラしていました。身体にはあまり良くないかもしれません。何人かで来てもっと少量をご飯と一緒に食べるくらいにしないとダメでしょうきっと。

ショッピングモールの中にあって店内は広々&清潔ですから、ちょっとあらたまった食事会にも対応可能。火鍋も美味しそうでした。モールの中にLittle Hong Kong、Tim Ho Wanもありますから、なかなかの中華パラダイス。

(※シーロムにもお店ができました)