ワット・スワンナーラーム(Wat Suwannaram)、王宮の西岸地区にある第2級王室寺院です。寺の歴史はアユタヤ朝にさかのぼり、当初はワット・トーン(黄金の寺)と呼ばれていました。トンブリー朝のタクシン王の時代にはビルマの戦争捕虜を処刑する場所にも使われていたようですが、ラーマ1世に現在の名称に改められるとともに、王室の庇護を受けるようになりました。ラーマ5世(チュラロンコーン王)の時代になると、王族を荼毘に付す場所としても使用されます。
このお寺に普遍的な輝きを与えているのが、ラーマ3世の命により本堂に描き加えられた壁画です。命を受けたのはこの時代の二大画家、トンユー(Thong Yu)とコンペー(Kong Pae)。二人は競い合い、お互い見えないように画を描いたそうです。この壁画は時代の傑作とされ、今でも80%が当時の状態で残っています。もっとしっかり管理して確実に後世に残してほしいと思う一方、こうして自由に無料で間近に見られるのも悪くないなと思ったり。