2018年10月9日から(正確には8日夕方から)10月17日までの9日間、タイの華人はギンジェー(菜食)により身を清めるとともに神仏のご利益を得ようと、熱心な毎日を過ごしています。
自分はこれまで知りませんでしたが、東南アジアの華僑にとってこの菜食週間は旧正月に次ぐビッグイベントなんだそうです。英語だと Nine Emperor Gods Festival、あるいは単に Vegetarian Festival。
タイでの始まりは19世紀、中国のオペラ座(旅芸人の一座)がタイ南部プーケットの華人労働者コミュニティーを訪れた際、集団で病にかかり、菜食による減量と九皇大帝(東南アジアの華僑に信仰されている神仏)への祈りによって体調を回復した故事に基づくと言われています(諸説あり)。
プーケットでは頬に鉄串を刺したり舌を切ったり火の上を裸足で歩いたり、苦行を行う奇祭としても知られていますが、バンコクなら中華街(ヤワラート)に行くと、ジェーフードを売る屋台が所狭しと並んでいて見ごたえありだそうです。
バンコクでは公式行事もあるようで、2018年のスケジュールは次のとおりです。
1日目(10/07): Chow Sue Kong神社で九皇お迎え
2日目(10/08): 夕方から菜食開始
7日目(10/13): Chow Sue Kong神社で2pmよりタンブン(功徳=小動物を野に放す)
8日目(10/14): Chow Sue Kong神社からクルンテープ橋まで船で往復
9日目(10/15): ご利益を得るセレモニー多数、夕方6pmから中国獅子舞
10日目(10/16): 最終日、お寺でお米など奉納
11日目(10/17): 神を川に返す日
この期間は以下の決まりがあります。
1. 身体を清潔に保つ
2. 台所を清潔に保ち調理器具を菜食者以外と共有しない
3. 白い衣服を着る(とくに神社参拝時)
4. 肉体的、精神的に善くふるまう
5. 肉食を絶つ ※下記参照
6. 性行為をしない
7. お酒を飲まない
8. 喪に服している人は祭りに参加しない
9. 妊娠中の女性は儀式を見てはいけない
10. 生理中の女性は 〃
※食べていいもの悪いもの
肉、家禽、魚介類、動物性食品(卵、乳製品等)に加え香りの強い野菜・ハーブを摂らない(ニンニク、タマネギ、ネギ、パクチー)、ただし牡蠣と唐辛子は食べてもよい(うちのスタッフ談)
ジェーにより心身ともに軽くなりメンタルのセルフメンテナンスが行われることが、ジェーを行う人たちの狙いです。神仏のご利益にあずかるのもけっこう大きいそうですが。近年は華人だけでなく普通のタイ人も健康を意識して菜食週間に身を投じるのだとか。
この時期、スーパーやコンビニでもジェー(齋)の小旗が掲げられ、ベジタリアンフードがたくさん売られています。日清カップヌードルもキノコ味とトムヤム味のジェーヌードルを出していて、とくにキノコ味はさっぱりしていてクドさがなく味は上々。通年販売してもらいたいくらいです。
ギンジェーの様子@バンコク中華街 (ヤワラート)
チョースーコン神社にお参り
神社の敷地から眺めるチャオプラヤー川と夕日
神社でギンジェーの演劇鑑賞