A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

香港旅行記(旧正月の香港)

リヤドから香港へ

2月7日未明、旧正月の香港へ旅立ちました。フライトはキャセイのノンストップ便。リヤド国際空港は旧正月で帰省する中国人 (広東語っぽかったのでたぶん香港人) の一団が40〜50人並んでいるカウンター、10人くらいのインドネシア人のメイドさんとサウジ人の若者4人組が並んでいるカウンター、あとは雑多な人が20人くらいのカウンターとありました。どこに並ぶかはいつも迷いますが、この日は、メイドさんたちはチェックインに時間がかかることは承知で、やはり一番短い2番目のカウンターに並びました。

メイドさんがいるとなぜチェックインに時間がかかるのか。それは、彼女たちの荷物です。ほとんどの人が30kg超の荷物を持っているため、エコノミークラスの上限20kgをかなりオーバーしています。リヤドから香港までは無料にできても、その先、香港からジャカルタまでは1kgあたり100リヤル (3千円) 払わなくてはいけないと言われると、当然ながらみんなそんなお金はありませんから、そこで一悶着始まるわけです。

ただ、普通はメイドさん達の帰省 (帰国) 時は、雇い主のサウジ人がサポートに来ているので、結局はオーバー分を取り出し、サウジ人に持って帰ってもらうということになります。しかし、メイドさんのあきらめがつくまでサウジ人も粘って交渉するし (これは偉いと思う)、そのため普通の2倍も3倍も時間がかかってしまいます。

さらにこの日は、サウジ人の若者4人組まで、荷物の重さでもめていました。キャセイはひとつの荷物が32kg以下でなくては受け付けてくれません。インドネシアに何を持っていくのか、彼らの荷物はひとつ35kgもありました。

カウンターでひとしきりあぁだこぅだと言い合いをしてから、ようやくあきらめがついたのか、若者はスーツケースを計りから降ろし、列の後ろの方でいらなさそうな物を取り出していました。この日はチェックインする人が全員こんな感じでもめていたので、自分の番が回ってくるまで1時間かかりました。あぁ、疲れた。

飛行機に乗り込んだのは2月7日午前0時。シートの配列は3−3−3。まず前の席でサウジ人が、座っていたフィリピン人に何か言い始めました。どうやら、前の3席にサウジ人男性の奥さんと子供が座っているのですが、彼だけ斜め後ろの列だったため、席をかわってほしいということでした。サウジ人の席が3席の真ん中だったこともあってか、フィリピン人はノーと言いました。

すると、近くに端っこが空いている席があったのでサウジ人は「そっちに移ってくれ」と言い始めたのですが、そこには誰かが来るかもしれず、やはりフィリピン人の答えはノー。しかしあまりサウジ人がしつこいので、そのうちフィリピン人は仏頂面で席を立ちました。

こういう態度を見て、おそらくムッとしたのでしょう、サウジ人が急に声を荒げて「嫌だったらそう言ってくれ、決めるのはあなただから」と上から目線でこれまたしつこく言い始めました。フィリピン人ももう関わり合いになりたくないといった感じで無視していました。

自分の列はというと、隣が2席とも空席だったため、「ここに移っても良い?」と何人も乗務員にたずねていましたが、最終的に移動してきたのは赤ちゃんを抱っこしたインドネシア人の若夫婦。赤ちゃん用のシートベルトエクステンションをもらったのは良いのですが、さっぱり英語ができないため、やや困り顔。

そのうち、急に乗務員から「チケットを見せて」と言われ、やはり夫婦そろってオロオロするばかり。結局、乗務員がカバンの中をあさりチケットを発見。何かチェックされていました。何だったのかな?

その後、定刻になったのに機体が動き出さないなと思っていたら、そのうちアナウンスがあり、「ひとり行方不明です、しばらくお待ちください」だって・・・。40分遅れの出発とあいなりました。

香港1日目

2月7日 (旧正月1日) 午後2時、香港着。曇天、気温15度。香港は年中暖かいようなイメージがあったので、この寒さには驚きました。空港からエアバスで旺角 (Mong Kok) へ移動 (33HK$=460円)。旧正月のためか道路はガラガラ。あっというまに着きました。

f:id:ishigaki10:20210514130307j:plain

町に降り立つと、わかっていたとはいえ、確かにお店はほとんど閉まっています。旺角は繁華街なのでまだ店は開いている方ですが、ちょっと活気が足りません。

ホテルにチェックイン後、まずは腹ごしらえ。香港に来たらおいしい中華料理をちょっとずつ1日に何回も食べたかったので (朝、昼、おやつ、夕飯、夜食、なんて感じで)、軽めの物をと考えていたのですが、豚肉の誘惑に負けてラーメンに東坡肉 (トンポーロー) まで頼んでしまいました。

しかしこれが余裕で2人前の量があり、結局この日、夜食を食べる気力はありませんでした。残念。この後、女人街を散歩したらなかなか活況を呈していて、あまり旧正月の雰囲気は感じられないものの、ようやく香港に来ていると実感しました。

写真は旺角にある王家沙 (Wong Jia Sha) の上海湯麺と東坡肉。お茶もついて106HK$=1450円。2人前と考えれば納得の値段です。湯麺はキャベツと豚肉の炒め物がどっさり乗っていて、麺は手打ちうどんのようなモチモチした食感の太麺。スープが真っ黒でしたが、塩辛すぎることはなく、深いコクとキレを感じる味わい。最後までおいしくいただきました。

東坡肉は肉はホロホロ、脂はトロトロで美味しかった。脂が甘いんです。タレはお酒をたっぷり使っているような大人の味わい (下戸の自分には若干厳しい感じも)。でもやっぱり豚肉はおいしいなぁ。イスラム教徒はこの味を一生知らないんですよねぇ。1日目は飛行機の疲れをフットマッサージ (40分 90HK$=1260円) で癒やした後、セブンイレブンで水を買ってからホテルに戻り就寝。

f:id:ishigaki10:20210514130239j:plain

香港2日目・昼

2月8日 (旧正月2日)。午前10時起床。もう少し早く起きたかったのにこの時間。でもサウジ時間ならまだ朝5時だからがんばった方。ホテルを出て朝食のため女人街方面へ歩き、昨日の晩、この界隈で一番にぎわっていたお店「明苑粉麺茶餐廰」へ。

f:id:ishigaki10:20210514130950j:plain

お粥を食べたかったのですが、150種類くらいあるメニューをざっと見渡しても粥の文字がなく、あきらめて本当はお昼に食べようと思っていたエビワンタンメンを注文しました。細くて黄色いチリチリの麺に、プリプリのエビワンタンが6個。この麺は固かったり臭かったりと、これまでにけっこう当たりはずれがあったのですが、この店はバッチリでした。

麺は細いのにシコシコ、しかし嫌な固さはなく、プツンと歯切れが良い。臭みはまったくなく、薄味のスープに良く合っていました。シンプルな白湯スープはいくら飲んでも飽きが来ないすっきり味。逆に、スープだけではやや単調な感じもしますが、スープに浮かべられたパクチーと一緒に口に運ぶと、その都度新鮮でエキゾチックな香りが鼻腔を抜けていきます。

実はこれまでパクチーは苦手でしたが、今回初めてパクチーをおいしいと思いました。タイのパクチーよりまろやかなのかな。エビワンタンは、もう何も言うことがないくらい美味しかったです。さすが、看板に「雲呑大王」と書いているだけあります。

f:id:ishigaki10:20210514131021j:plain
朝食後、女人街を通り抜けて金魚街へ。その名の通り、一帯に金魚屋がズラーッと軒を連ねています。残念ながら空いていたのは数軒だけでしたが、店頭では地元の人がひたすらじっと金魚を見ていました。模様の良いものをさがしているのでしょうか。縁起物としての金魚人気の高さを少し想像できました。

f:id:ishigaki10:20210514130423j:plain

金魚街をうろうろした後は、もと来た道をもどり花園街街市へ。ここは公設市場で、1階と2階は肉、魚、野菜、果物などの売り場、3階はフードコートになっています。しかし事前の情報通りここも旧正月のためほぼすべて閉まっていました。

そうこうしているうちに時間は12時半になりました。ちょっと小腹が空いてきたので、この市場の隣のレストラン「香港仔魚蛋粉」に入り、牡蠣と挽肉 (あるいは極少肉団子?) のお粥を注文。メニューにあったウニ刺しは残念ながらありませんでしたが (隣の市場が休みだから…)、牡蠣のスープがびっくりするほど濃厚で、最後の一口まで堪能しました。

f:id:ishigaki10:20210514131247j:plain

しかし香港は食堂から屋台まで食べ物屋には不自由しません。香港人の家には台所がないというのは本当なんでしょうか。家庭に台所がないから外食産業が発展したとも聞くし、外に食べる所がたくさんあるから家で料理する必要がないとも聞くし、どっちだろう。

ここからは、日頃の運動不足解消のためひたすら歩きました。尖沙咀 (Tsim Sha Tsui) まで、ネイザンロードと裏の道を出たり入ったりしながらのんびりと、街の写真をパチパチ撮りながらの気楽な散歩です。

今回ものすごく久しぶりに香港を訪れましたが、もう昔ながらの建物はほとんど見られず (道の看板は相変わらずですが)、たまにあってもバックには高層ビル群の林立が見えたりして、その新旧のコントラストが面白くもあり、やるせなくもありました。もうすぐこういった古き良き時代を感じさせる建物はなくなってしまうんでしょうね。

ネイザンロードを突き当たりまで行くと、ペニンシュラホテル横の地下道を下り、そごうを抜けて反対車線の方へ。海沿いの遊歩道「星光大道 (Avenue of Stars)」を歩くと、海の先には香港島のビル群が見えます。この日は白く霞がかかっていて対岸はあまりよく見えませんでしたが、やはり観光客が多く、大変な賑わいでした。

この歩道には香港・中国映画スターの手形とサインが刻まれています。ハリウッドにもあるやつですね。一番人気はやはりジャッキー・チェン。大人も子供もそれを見つけると「成龍 (ツェン・ロン)」と言って手形に手を乗せ記念写真を撮っていました。ブルース・リー、ジェット・リーも人気でした。

遊歩道の中ほどにあるブルース・リーの銅像の前では、その型をまねて記念写真を撮るのがお約束。中国の人たちが次から次へと「アチョー!」と言いながら写真を撮ってもらっていました。撮った後にみんな「あぁ、恥ずかしい、やっちゃった」みたいなことを言って (←想像です) 照れていたのがおかしかったです。

f:id:ishigaki10:20210514131329j:plain

しかし周りに何十人も中国人がいる中で、あえて自分に「写真撮って」と言ってきた人が3人も。最初から最後まで中国語だったし。まぁ、わかってなかったんでしょうけど。もう昔ほど日本人と中国人は区別できない感じですね。

遊歩道を抜け、またネイザンロードまで戻ると、来たときに準備をしていた中国獅子舞のグループが、デパートの前で踊っている真っ最中でした。ジャンジャーンという景気の良い楽器の音色は、お正月気分満点です。最後に獅子が「新年おめでとう」みたいな掛け軸をバッと垂らすと、見物客からは拍手喝采が。

f:id:ishigaki10:20210514131427j:plain

しかしみんな道にはみ出して見ていたので車には迷惑だったかも。その足で正面の重慶(チョンキン)マンションをのぞきましたが、相変わらずのいかがわしさとアフリカ人の多さに這々の体で逃げ出しました。

それから、3時のおやつを食べに尖沙咀の「糖朝 (Sweet Dynasty)」へ。蓮の実入りクルミのお汁粉、ツバメの巣が乗ったエッグタルトに舌鼓を打ちました。おやつの後はお店の近くにあった「康恵足マッサージセンター」でフットマッサージをして、足が軽くなったところで、地下鉄に乗ってホテルに戻り小休止。

f:id:ishigaki10:20210514131542j:plain

地下鉄は快適でした。チケットを買うのもとてもわかりやすかったし。こういう市民生活の快適さでは、知らないうちに日本はどんどんアジアの国に追い抜かれているように感じました。

f:id:ishigaki10:20210514131912j:plain

香港2日目・夜

2月8日 (旧正月2日)、夕方6時にまた王家沙で夕飯。蟹肉入り小龍包、エビあんかけ堅焼きそば、ゴマ餡団子の3点。小龍包をパクリとほおばると、熱々の肉汁がジュワーッと広がり口の中はやけど寸前。頭がカーッと熱くなり汗は出るし涙目になるし。でもそれをハヒハヒ言いながら食べるのが最高においしい!

堅焼きそばはどん兵衛のような平麺をカリッとキツネ色に揚げてあり、まったく油臭さはなく、食感も軽くさほどしつこくありません。上にかかっているエビあんがまたおいしくて、麺の香ばしさとエビのプリプリ感であっという間に3分の2たいらげてしまいました (その後は正直満腹になってしまった)。デザートのゴマ餡団子は、たぶん黒糖を使っているのか、とても深い滋味のある甘さで、満腹のお腹にスッと入っていきました。

f:id:ishigaki10:20210514132400j:plain

7時に店を出て、尖沙咀に向かいました。対岸の香港島のビル群がライトアップされるのを見に行くためです。ただ、この日は格別夜風が冷たく、地下鉄でサッと行って波止場であまり長く待つのも嫌だったので、腹ごなしもかねて歩いていくことにしました。

旺角から油麻地 (Yau Ma Tei)、佐敦 (Jordan) と歩いていくと、しだいに人の数が増えてきました。佐敦を過ぎ、もうすぐ尖沙咀という所に来ると、明らかに数千人の人が同じ目的地を目指して歩いているのがわかりました。「この人数が波止場に行ったら場所取りが大変だ」などと考えつつ歩いていましたが、ペニンシュラホテルまで来ると、そこで人の流れが止まってしまいました。

どうも、バリケードが張られてそこで止められているようです。本当なら地下道を通って海の方に渡るのですが、そこも警官が止めていました。時間はもうすぐ8時。前後を見渡すと、軽く1万人くらいの人が集まっています。予定とは違いましたが、これだけ人がいるということは何らかのイベントがあることは間違いありません。

もう動くのも面倒だったので、群衆の中で事が始まるのを待つことにしました。そして15分くらいたったとき、突然「ドドーン」という音が鳴り、群衆の目の前にあるドームの向こうが明るく輝きました。打ち上げ花火です。

f:id:ishigaki10:20210514133147j:plain
「おぉーっ」という歓声があがるとともに、「ドームが邪魔だ!」と (言っていたんでしょう、中国語で) 悲鳴にも似た声が周囲から漏れ始め、それまでギュウギュウに詰まっていたその場所から、みんな慌てて左右に移動し始めました。いくら左右に移動しても、結局建物が邪魔なことには変わりなかったので、スカスカに空いたその場所で、時々他のよりも高く上がる大きな花火を見て楽しむことにしました。

時間にして20分くらいでしょうか。かなりの花火が打ち上げられました。邪魔な建物にイライラしながら見ている我々を尻目に、右手上方にはペニンシュラホテルがあり、上の階の窓越しに悠々と花火を楽しんでいるセレブな人たちがいました。本当にうらやましかった・・・。

花火がそろそろ終わりそうな気配だったので、少し早めにその場を離れようと人混みをかきわけつつ移動していくと、ちょうどクライマックスという感じで一気に花火が打ち上げられました。少し後ろに移動していたので、最初よりもずっとせいせい見ることができたのは不幸中の幸いでした。

f:id:ishigaki10:20210514132832j:plain

しかしそこから帰るときの人の数ったら!。これだけの群衆を見たのは久しぶりでした。「やっぱり中国には勝てないな、この数には負ける」となんだかそう思った次第です。帰りは地下鉄にしようか迷いましたが、何百人も地下鉄になだれ込んで行ったのであえなく断念。冷たい夜風をあびながら、また歩いて帰りました。

f:id:ishigaki10:20210514132451j:plain

しばらくホテルで休憩した後、ちょっと夜食が欲しくなったので、また女人街方面へ。しかし行ってびっくり。夜も更けたというのに、何千人もの人が通りにひしめいています。みんなの目当ては屋台の食べ物。イカ焼き、揚げ豆腐、スープ、甘い物などなど、まるで縁日の夜店のように、とことん人でごった返していました。

f:id:ishigaki10:20210514132518j:plain

全体的にこってりした物が多かったので、何かあっさり系はないかとさがしていたら、ありました「豆腐花」。夜食にはちょうど良い豆腐のデザートです。作りたてでまだ暖かいそれに黒砂糖をたっぷりかけて、あっという間にいただきました。絹ごし豆腐よりももっと滑らかな口当たりで、大豆の甘さもほんのり感じられる、なかなかの一品でした。

f:id:ishigaki10:20210514132745j:plain

香港3日目

2月9日 (旧正月3日)。なんとか9時起床。朝食は女人街の「極之好粥麺」。この店、香港でもっとも愛されているインスタント麺「出前一丁」を使った料理コンテストで優勝という栄誉に輝き、その名も「香港B級グルメ界の覇王」。

ただ、お店に入ってわかったのですが、売れ線メニューは汁そばではなく出前一丁の麺を使った焼きそば、そして値段は30~40HK$とけっこう高め。朝から焼きそばは胸焼けの可能性大だし割高感もあったので、他にも評判の魚のアラのお粥とエビワンタンスープを頼みました。

f:id:ishigaki10:20210514133352j:plain

魚のアラはおいしいですね。ダシがたっぷり出て。お粥も時間をかけて煮込んであり、とてもまろやかで優しい味。朝のお腹にはもってこいです。

エビワンタンは壁の張り紙の写真を見て急遽追加注文したのですが、エビと豚肉がギュッと詰まった大振りなワンタンは、朝食べるには少々ヘビーなほど濃厚な味わいでした。でももしかしたらスープは出前一丁をベースにしているかも。お店の厨房には焼きそばが山のように (本当に山のように) 盛られていましたから、スープがたくさん余っているはずだし。もちろん、もっと複雑で奥深い味わいでしたけど。朝から満足&満腹。ちょっと食べ過ぎ。

朝ホテルを出るまでは特に予定は立てていなかったのですが、前日とうって変わって天気が良く、これならばとビクトリアピークに行くことにしました。まずは地下鉄に乗って中環 (Central) へ。少し坂道を上り、ヒルサイドエスカレーターに乗りました。

これは映画「恋する惑星」にも登場した世界一長いエスカレーターです。全長800m (短いものが連結されている)、高低差135mで 、途中でバックの街の景色を楽しみながら、鼻歌まじりで快調に上っていきました。

f:id:ishigaki10:20210514133424j:plain

しかし一番上に着いてから、今度はピークトラム駅までくねくねした道を20分歩くことがわかり、ちょっと弱気に。多少道に迷いながらもなんとか駅にたどり着くと、みんな考えることは同じで、トラムのチケットオフィスの前には長蛇の列ができていました。

ピークトラムには乗りたかったのですが、ここで何十分もロスすることになりそうだったので、タクシーを捕まえさっさとピークに上がることにしました (と言ってもなかなかタクシーが捕まりませんでしたけど)。

ピークには立派なショッピングセンターができていました。お正月っぽい飾り付けが施され、あちこちで歓声があがっていました。一番高い展望台が有料 (10KH$=140円) なのにはみんな少し不満顔でしたが、展望台に上るとそんなことはあっという間に忘れてしまうのでしょう、眼下に広がる素晴らしい景色にみんなかなりテンション高めでした。

f:id:ishigaki10:20210514133449j:plain

残念ながら少し霞がかかってきてしまい、あまりくっきりした風景は見られませんでしたが、気分は爽快そのもの。元気が出てきたのでもう1ヶ所観光することにしました。

タクシーに乗り込み、上環 (Sheung Wan) の文武廟へ。これは1847年に建立されたと言われる香港最古の道教寺院で、学問の神様である文昌帝と三国志で有名な関羽の文武二神が祀られています。現場に到着すると、2ヶ所の入り口に200人くらいずつ行列ができていました。

ここでもまた行列です。みんな中国本土からの観光客かなと思っていましたが、30分ほど並んでようやく中に入ると、みんな長いお線香に火を着けて一生懸命お参りをしていました。カメラを出している人間は自分ひとり。やはりみんな観光ではなくお参りをしに来たんですね。ところでこのお寺、渦巻き型の巨大線香でも有名です。中はものすごい煙でむせそうになりました。

f:id:ishigaki10:20210514133516j:plain

文武廟のすぐ下には骨董品屋が立ち並ぶ小さな通りがあります。さすがに旧正月なのでお店は半分も開いていませんでしたが、なかなか面白そうな物が並んでいました。ここで時間は午後2時。そろそろ昼食を食べたいと思って、文武廟の前を通る荷季活道 (ハリウッドロード) を中環側に移動、いくつか目当てのレストランを決めて歩き始めました。

ところが、九龍側と違ってこちらはほとんどのお店が閉まっています。レストランもその例に漏れず、期待していた4軒とも旧正月の三が日は休業の張り紙が。がっかり。仕方なく、地下鉄に乗って九龍に戻ることにしました。

佐敦で電車を降り、目指したのは「粗菜館」。香港一の美食家として有名な蔡瀾氏による、広東の伝統的な家庭料理が食べられるお店だそうです。しかし店内はガラガラ。一瞬、失敗したかなと思いましたが、蜜味東坡肉 (中国風豚の角煮)、招牌炒猪什 (豚のレバーとモツの炒め物) はともに素晴らしいおいしさでした。

f:id:ishigaki10:20210514133802j:plain

二皿とも量が多く、きっと残すだろうなと思いつつ食べ始めたのですが、一口食べるとまた次の一口が欲しくなる、食べても食べても飽きが来ない味には、「中華料理は脂っこくてくどくて、おいしいけれどあまりたくさん食べられない」というこれまでの考えがガラリと変わりました。

f:id:ishigaki10:20210514133830j:plain

というわけで、あっという間に完食。いやはや、お腹いっぱい。ちなみに、白ご飯にはラードと中国醤油が付いてきましたが、さすがにそれをご飯にかけることはしませんでした。

帰りがけにおやつとしてヤマザキパンでエッグタルトを買ってホテルにもどり小休止。夜はなかなかお腹がすかず、6時半頃からランガムプレイスなどをぶらぶらと散策、2時間ほど時間をつぶしていました。

しかし、いざどこかお店に入ろうと思ったらどこも満員かつなかなかの行列。さらに、少しでもあっさりした物をと考えていたので、入れそうなお店が全然見つかりませんでした。さらに30分ほど歩いていると、「楽園牛丸大王」という麺屋のメニューに「手漉魚麺」の文字が。「これだ!」と思ってすぐ店に入り迷わず注文。

f:id:ishigaki10:20210514133953j:plain

言ってみれば魚肉ソーセージを細切りにしたような麺のラーメンですが、こちらは手作り麺。もっと味が濃くて噛み応えがありました。スープも魚介のダシであっさり。パクチーのほどよいアクセントもナイス。一緒に頼んだ激甘のアイスコーヒーも、香港の雰囲気にバッチリ合っていました。あぁ、おいしかった。で、ホテルに戻り就寝。

ちなみに、旧正月3日目になって、昼間に通りを歩く人の数が急に増えたように感じました。香港人が外に出始めたのか、ホテル代が最も高い年始をずらしてさらに中国人観光客が押し寄せたのか。初日の閑散とした雰囲気も良かったですが、目抜き通りを歩くのも押し合いへし合いというこんな感じも香港らしくて良かったです。

香港4日目

2月10日。朝10時前にホテルをチェックアウト。地下鉄で尖沙咀まで行き、再び「糖朝」へ。10時開店のところ、10時15分に店に着くとすでに8割方席が埋まっていました。1軒手前のレストランもすでに行列ができていたし、この時期、香港でご飯を食べるのはなかなか大変な作業です。

一番奥の席に座り、注文用紙にメニュー番号を記入して、甘い物×2と点心×3を注文しました。5分ほどすると、まずマンゴープリンと蓮の実入り黒胡麻汁粉が出てきました。確かに甘い物は作り置きできるから注文してすぐに出るのは当たり前なんでしょうけど、順番てものを少しは考えて欲しかった。

マンゴープリンは南国のフルーツらしいまったりした風味とフレッシュな甘さが口の中に広がり、さすがのおいしさ。濃いです。果肉もたっぷり入っていました。お汁粉は甘さ控えめながらけっこうこってりで、この一品だけでも十分満足できる仕上がり。しかし先にデザートを食べると思いの外満腹感が出てしまいます。気をつけながらひと口ふた口とのんびり食べることにしました。

15分ほどして、ようやくエビ餃子が来ました。正直言うと「鶏足の甘辛煮乗せご飯」がまず来て欲しかったのですが・・・。点心の中でもこの鶏足は大好きな一品です。どの店でもいつでも置いてあるというわけではないので、何年かに一度しか巡り会わないのですが、久しぶりに食べられると喜んで注文しました。

ちなみにエビの蒸し餃子2種は、可もなく不可もなく、というかどこで食べてもハズレなく美味しいので、逆に特別に美味しいと思うことも滅多にありません。あっという間にパクパク食べてしまいました。そして、ひたすら鶏足ご飯を待ちました。5分たち、10分たち、20分が過ぎ・・・。ここで我慢の限界。

入店したとき英語で (と言っても"This way" くらいだけど) 案内してくれた黒服を呼びました。「まだ来ていない品がある」と英語で言っても、何かさっぱりわからないという素振り。メニューを指さして「これこれ、鶏足ご飯がまだ」と言ったら、手をバッテンにしてごちゃごちゃ言っています。そしておもむろにご飯メニューのページの上に小さく書いてあった「11:30~」という文字列を指さしました。・・・なんだ、そういうことか。・・・だったら先に言ってくれー! あぁ時間損した。あまり時間がなかったので、結局ご飯はあきらめて店を後にしました。次に鶏足に出会うのは何年後になるだろう・・・。

f:id:ishigaki10:20210514134500j:plain

店を出て、今度は足マッサージ。また「康恵 (Hong Wai)」に行きました。足35分+肩首腰15分で150HK$ (2100円) は、初日に行った旺角の店より2割以上高いのですが、店内は明るく清潔感があるし、何よりマッサージが丁寧で良く効くので、断然こちらの方が良いです。

店のチラシに足裏ツボの反射区が書いてあるのもグッド。店内は常にお客が絶えません。ここで、3日間の旅行の足腰の疲れを癒やしました。実は「ロウソクを使った耳垢取り (45分 80HK$)」というのにものすごく興味があったのですが、今回はあと一歩勇気が出ず試しませんでした。次回に持ち越し。

マッサージの後、地下鉄に乗って対岸の中環駅へ移動、連絡通路を歩いて香港駅へ。エアポートエクスプレスのチケットを100HK$で買ってから地上階に上がり、サウジアラビアに戻るフライトのチェックインを済ませました (In-Town Check In)。なかなか便利なシステムです。

4時半のフライトまで3時間あるので、近辺で軽く何かを食べようとシティーホールに向かいました。結局、ホール内のレストランは順番待ちのお客でごった返していたため、そこで食べるのはあきらめましたが。

それにしても、香港駅からシティーホールへと続く道に、延々とフィリピン人らしき女性たちが座っていたのには驚きました。最初はコンサートの入場待ちかと思ったほどです。さらにシティーホール建物の周辺と中庭にも、何百人もの女性がいました。

f:id:ishigaki10:20210514134535j:plain

それぞれ5~10人のグループですが、それらがあちこちに陣取り、段ボールを敷いてお弁当片手におしゃべりやトランプに興じている様は圧巻のひと言。一瞬ここはマニラかと目を疑いました。出稼ぎのメイドさんたちでしょうか。日曜だったし。

彼女たちを横目に、歩道橋を通ってスターフェリーの波止場に行きました。香港島から九龍側を見ると、なかなかに美しい眺め。綺麗な高層ビルが建ち並ぶ風光明媚な港湾都市、といった風情です。

f:id:ishigaki10:20210514134612j:plain

しかし実際には、あのビル群の下の通りはいかがわしい看板であふれ、八角と油とドブと排気ガスの匂いにまみれているわけです。美しさと醜悪さ、知性と下世話、近未来と過去が同居している不思議な街、香港。

その魅力 (魔力?) は尽きることはありませんが、ここを訪ねる人間もそのパワーを受け止める覚悟 (あるいは軽く受け流す度量) が必要かもしれません。個人的には、10年に一度くらいの訪問で良いかな。香港に住んでいる日本人は本当にすごいと思います。

波止場のパン屋さんでチャーシュー入りパンとポークカレーパンを買ってから香港駅に移動。お金がまだ少し残っていたので、駅ビル内の「大家楽」で「鴨肉乗せご飯」を買って急いで立ち食いしました。

鴨肉は赤身で鶏よりもずっと身がしまっていて、ずいぶん食べ応えがあります。脂身も多く、もっと良いレストランで食べたらさらに美味しいんだろうなと思いつつも、こういうテイクアウトの店でも十分おいしいと感じました。

ただしさすがにお米はイマイチでした。全然香りがない。同じ長粒米でも、ちゃんとしたお店で食べる白飯は、ふわっと良い香りが立ち上ってきます。そういうお米は「ジャスミンライス」とか「香り米」とか言うんでしょうか。まぁ、こんな場所でそこまでは求めませんけど。

空港行きの鉄道、エアポートエクスプレスはとても快適でした。車窓の風景をゆっくり楽しむほどの時間もなく、30分弱で空港に到着。出国手続きもさっと終わり、ボーディングの30分前にはゲートに着きました。

f:id:ishigaki10:20210514134654j:plain

飛行機はオンタイムで出発。バハレンに降りるので、香港からリヤドまで、結局丸々12時間かかりました。行きは8時間ちょっとで着くんですけどね。気流の関係とかあるんでしょうか。でも、足マッサージを受けていたからあまり疲れもたまらず、なかなか快適な空の旅でした。あ、亀ゼリー食べるの忘れていた!

中国語の学習

香港行きを決めてから、自分が知っている中国語が「ニイハオ、シェーシェー、サイチェン、ハオチー、メイヨー」だけだということにあらためて気がつき愕然としました。これではいけません。早速インターネットで中国語学習アイテムを検索したところ、iTunesミュージックストアに「サバイバルのための中国語 −入門編−」というオーディオブックがあったので即購入。iPodに入れて毎日少しずつ聞くことにしました。

その後「eureka!」のホームページにテキストが載っていることも発見し、旅行までの10日間になんとか一通りの例文を覚えました。もちろん、短期間で覚えられるくらいですから、例文の量はそんなに多くはありません。というかかなり少な目。ごく基本的なフレーズ、しかし厳選されたものだけがピックアップされています。さて、香港ではどの程度役立ったのか。以下、実際に会話したにわかスピーカーの記録です。もちろん全部「サバイバルのための中国語 -入門編-」からです。

あいさつ
・ニイハオ (こんにちは)
・ニイハオマ (元気ですか)
・フンハオ (元気です)
・シエシエ (ありがとう)
・ツァイチエン (さようなら)

※これらは普通語 (標準語) なので、香港人が話す「広東語」とは違うのですが、あえて広東語を学習するより標準語を習った方が良いとのことだったので、今回は素直にそうしました。もちろんみんなわかってくれます。発音は四声も含めてがんばって覚えました。これらのあいさつは毎日いろいろなところで多用しましたが、あいさつだけでもこうやって中国語で話すと、なんとなくその場の雰囲気が良くなるような気がしました。ちなみに、四声もあるしカタカナでは表記しきれない音もあるので、これらのカタカナ表記は便宜的なものです。

レストランにて
・シャオジエ (ウエイトレス)
・シエンシェン (ウエイター)
・ウォーヤオチェーグ (これください)
・メイヨー (ありません)
・マイタン (お勘定)

※レストランではメニューに値段が書いてありますから、ウエイトレスを呼んで「これください」とメニューを指差すだけで注文できます。無言で指差しするよりはスマートですね。ウニを頼んだときは「ありません」と言われがっかりでした。「粗菜館」では珍しくメニューが漢字のみで、英語表記も料理の写真もなかったため、ウエイターを呼んで店の外に連れだし、おいしそうな料理の写真を指差し「これください」。ちょっと格好悪かったですけど、おいしい料理が食べられるならこれくらい平気。

夜店にて
・ウォーヤオチェーグ (これください)
・トゥオシャオチエン (いくらですか)
・シーウークァイ (15HK$)

※夜店で「豆腐花」を買ったときの会話です。値段は書いてありませんから「いくら?」と聞かなくてはなりません。また、もし数字を知らなかったら大きめのお札を渡し、適当にお釣りをもらうしかないでしょう。なので、たったこれくらいでも知っているとかなり買い物が楽になります。値段を言うとき「元 (ユエン)」ではなく「クァイ」を使うということも習っていたので、初心者にしてはスムースに買い物できました。もちろん、ここで一声値切るべきだったかもしれません。ただ、「ヌンブヌンピェイディエン (まけてくれませんか)」の発音が難しく、伝える自信がまるでなかったので、言い値で払ってしまいました。

骨董品市場にて
・チェーグトゥオシャオチエン (これいくらですか)
・サンパイパー (380)

※上環の摩羅上街でのやりとり。「サンパイパー」は漢字で書くと「三百八」ですが、308ではなく380のことを表します。308はサンパイリンパー。実はこの380という数字、「サバイバルのための中国語 -入門編-」の例文とまったく同じ数字でした。このおそるべき偶然に感謝。ちなみに、もともと買う気がなかったので「ありがとう」と言ってその場をそそくさと離れました。

タクシー
・ウォーシァンチューチャー (ここに行きたい)

※山頂 (ビクトリアピーク) からタクシーに乗り、文武廟に行くためガイドブックの地図を指差し「ここに行きたい」とひと言。運転手は大きくうなずき「マンモーミュー」と言っていました。この運転手がけっこう英語を話す人だったので、寺に着くまでの20分ほどの間いろいろな話をしましたが、今年の香港は10年ぶりの寒さだと言っていました。どうりで寒いわけだ。

マッサージ店にて
・チンディエン (もっと軽く)
・シューフ (気持ち良い)
・シンクーラ (お疲れ様)
・ウォーヤオシュイ (水ください)

※初日に足マッサージを受けたとき、かなり痛く感じたので思わず「軽く」と口から出てしまいました。イメージトレーニングの賜ですね。そして終わった後は「お疲れ様」。また、マッサージを受けた後はのどが渇きます。どの店でも冷温水器を置いてあるので、毎回頼んでいました。実はもうひとつ、店内の大画面テレビに映った尖沙咀の映像を指差し「チェーグ、シェンツァイ? (今)」とも言いました。「ライブ映像なの?」と尋ねたつもりでしたが、伝わったかどうか。楽しそうな画だったのでライブだったらすぐに行ってみようかなと思っての質問でした。いずれにしろ、返答は中国語 (広東語?) だったので意味はわかりませんでしたが、そのニュアンスから、録画映像だったみたいです。

あるお店の前で
・シュウシ (休み)
※ホテルの近くでフカヒレ屋を見つけました。残念ながらシャッターが下りていて、それでもしばらくじっと店の前に立っていたら、横にいたおじさんが「○△◇☆…シュウシ…○△◇☆…イーアルサン…○△◇☆…」と話しかけてきてくれました。たぶん「正月三が日は休みだよ」と教えてくれたんだと思います。

その他
・ウォーティンブドン (わかりません)
※特にマッサージ店で、ひと言ふた言中国語を話すと、機関銃のように中国語で何かを話しかけられるのですが、さっぱりわからないので素直に「わかりません」と言いました。もしかしたらこれは「聞こえない、聞き取れない」という言い方かもしれませんが、とにかくわからないということは伝わるようです。いつもそこでピタッと話が途絶えてしまいましたから。ま、仕方ないですね。

以上、香港で話した中国語会話のすべてです。「たったこれだけ?」と言うなかれ。自分にとっては「こんなに!」というくらいの達成感がありました。にわか勉強にしては上出来でしょう。というか「サバイバルのための中国語 -入門編-」がすごいのかな。まさに必要にして十分。わずか数百円の投資でこれほど大きな効果を得られるとは。講師の山崎こずえさんに感謝です。

 

香港のヘンな看板

「伊藤家の」 (いや、伊藤家の何?)

f:id:ishigaki10:20210514134937j:plain
「即戦力!高級錦鯉」 (錦鯉の即戦力とは?)

f:id:ishigaki10:20210514135004j:plain

「いらっしゼいませ ずとてのぺうくろ」 (謎すぎる・・・)

f:id:ishigaki10:20210514135151j:plain

たぶん、、、「ずとての」=「おとこの」
しかし、、、「ぺうくろ」=「らくえん」なのか?

f:id:ishigaki10:20210514135457j:plain