ヤホウ!(Ya'ahowu)
ニアス島に行ってきました。『ヤホウ』 (ホにアクセント) はニアス語でこんにちは。今はメダンから飛行機が飛んでいるので、アクセスは簡単になりました (ひと昔前は船しかなかったそうです)。この時は津波の遺構などいろいろなものを見てきました。
ニアス島の伝統家屋
南ニアス県のバヲマタルオ (Bawomataluo) は、小高い丘の上を平面に切り開き、伝統的な様式に従って造られた村です。
首長の家 (オモ・セブア Omo Sebua) の左右と正面に広い歩道があって、道の両側には村人の家 (オモ・ハダ Omo Hada) がずらりと軒を連ねています。この家がまた見栄えが良いんですね。
なんといってもその特徴は高床式の部分。釘を使わない木組みの構造で、何十本とある束柱は地面に置かれているだけで固定はされていません。これが地震の時に免震ダンパーの動きをするのだそうです。
オモ・セブアの内部は光と影が交錯し、エキゾチックな木彫の装飾と壁に掛けられた無数の骨(村人にふるまった牛?)が不思議な空間を生み出していました。ふと100年前にタイムスリップしたような感覚に。
これがホテルだったらぜひ泊まってみたいですが、一生住むとなると、屋根の葺き替えや柱のメンテナンスがあり、またトイレや台所、洗濯も不便でしょうから、正直ちょっと躊躇してしまいます。
実際、2年に1回交換と言われるヤシの葉の屋根はほとんどの家で近代的な人口素材に取り替えられていました。ただ、屋根をカッチリしたものにしてしまうと、湿気がこもってますます家のメンテが大変なのだとか。建築費用も高いし柱材の調達も大変だし、伝統を守るのも大変ですね。
ニアス島では成人の証として石を飛び越える儀式があります。その様子は1000ルピア札に描かれているそうですが、最近1000ルピアはコインに変わっているのでお札はしばらく見てないなあ。
ニアス島のビーチ
ニアス島の南にサーフィンのメッカがあります。ソラケビーチもそのひとつ。2004年12月の地震・津波ではそれほど大きな被害はなかったそうですが、翌年3月の地震・津波では大きな被害を受けました。
ソラケビーチでリゾートホテルを再開したご主人に聞いてみると、彼は当時宿泊客と一緒にサーフインをしていたそうですが、地震の第一報を聞いてすかさずみんなと高台に避難し事なきを得たそうです。
ただし、ホテルは2~3メートルの津波にやられめちゃくちゃになりました。今も小さなリゾートホテルがずらりと建ちならぶソラケビーチですが、実は放置されている建物もたくさんあります。
同じ小さな湾にあってソラケに隣接しているのがラグンドリビーチ。ソラケにくらべてとてもきれいな白砂のビーチが続いています。湾の一番奥まった場所にあるため波は穏やかですが、津波の被害はその分大きなものとなりました。
道端には完全に破壊されたリゾートホテルが、基礎と何枚かの壁を残してそのままになっていました。これだけの破壊を目の当たりにしてしまうと、さすがにリゾートを再開しようという者は少ないのでしょう。素晴らしいビーチなのに、今は1軒しかホテルがありませんでした。
この辺りを走っていると、津波の際の避難を誘導する看板が無数に立っています。今は南国のまばゆい光と頬をなでる生温かい風がただ気だるさを誘うばかりですが、あの時はきっと修羅場だったんだろうなと、そんなことを想起させるのでした。
ニアス島で食べたもの
■1日目夕食
トゥルクダラムで一番美味しいシーフードというお店に連れて行ってもらいました。どこにでもあるイカン・バカル (レッドスナッパーのグリル) ですが確かにタレがメチャウマ。身も新鮮でプリプリ。ウダン・バカル (エビのグリル) も高かったけど食べてよかった。本当に美味しかった。実はクルミの殻で焼いているというこだわり派。
■2日目朝食
ピサン・ゴレン (揚げバナナ)。華やかな酸味と甘味が絶妙のハーモニー。
■2日目昼食
ガドガドサラダはシャキシャキの茹で野菜と濃厚なピーナッツソース。今まで食べたガドガドで一番美味しかった。ニアス語でビンチャルだったかな? インドネシアではとりあえずなんでも白飯セット。
■2日目夕食
ニアスはキリスト教なので豚肉料理があると聞いていましたが、レンタカーの運転手がイスラム教徒だったためうまくお店にたどり着けませんでした。なのでメダンから一緒に来てもらった案内人 (バタック人) おすすめのバタック料理屋へ。
3品豚づくし。サクサン (豚シチュー)、バビ・パンガン (ローストポーク、たぶんバタック語でパンガン・ポルシ)、豚足スープ。どれもコッテリでうまし。お店のご主人はニアス人、奥様 (シェフ) がバタック人だそうです。
■3日目朝食
バナナの乗ったパンケーキ。バナナ最高。
■3日目昼食
パダン料理のお店で牛スープ、チキンカレー、青菜のグリーンカレー味をいただきました。テーブルにたくさんの小皿が運ばれてきますが、食べた分だけチャージ。食べ終わった後お皿を持ち帰るお店のご主人はさすがのテクニック。左腕に9皿も。
ということで、これぞニアス!という料理は食べられなかったような気もしますが、なんだかんだハズレなしでした。帰りがけ、小さなお店でニアスコーヒー (豆) を購入。大雑把な売り方からして味に期待はしていませんでしたが、そもそも豆の品質が高いのでしょうか、あなどれない美味しさでした。
ニアス島の定番土産(と信じていますが)ドドル・ドリアン(ドリアン羊羹)はこれまで食べたいくつかのドドルの中では、モッチリ度、ドリアン度、味のバランス度で群を抜いていました。
帰りにメダンの空港で買ったビカ・アンボン(モチモチプルプルのケーキ)もさすがメダン名物、とっても美味しくいただきました。
おしん
ニアス島で見た「おしん」。
ビューティーサロン&ファッションセンター "OSHIN"
聞いたらやはり日本の朝ドラ由来。
インドネシアでも大ヒットしたそうです。すごいな、おしん。